元気いっぱいの二十代
まだ二十代の頃、かなり昔の話になります。私は大学院に行くことを決心し、数年間勤務した公務員を4月にやめ、実家に帰ってその旨を両親に告げました。大学院の試験は9月にあり、残すところ正味5カ月しかありませんでした。大学の専攻学部と目指す大学院の専攻が、類似点はありますが異なっていたので、その点でもやや敷居が高くなっていました。受かるために必要な実力と、そのために必要な勉強量から、読まなければならない参考書を十冊あまり選定し、残された時間から1日に必要な勉強時間を割り出しました。おおよそ以下のような計画を立て、実行しました。
・7:00~12:00、13:00~17:00、19:00~22:00の間、試験勉強実施計画に従い勉強に集中する。
・土曜の午後と日曜日は完全に休養日とする。
・月、水、金の夕方は、6Kmのランニングと、あらかじめ決めた筋力トレーニングを行う。
・朝は6時に起床し、夜は11時に就寝する。
・土日以外は飲酒しない。
…
だらだらと試験勉強を実施すると体力を無駄に消耗し、集中力を維持できないことが目に見えていましたので、50分間勉強に集中し10分間完全に休むということを必ず守ることを決心しました。
充実した生活
もともと強い興味と勉強意欲のある分野ということもありましたが、50分間わき目も振らず参考書や問題集に集中し、確実に10分間の休憩を取ることを例外を設けずに実行していきました。土曜の午後から日曜日にかけては、子供の頃から好きだった釣りに、自転車で一時間程かけて近くの海に出かけました。集中と休憩の確実な切り替えを行ったためか、勉強には何の迷いもなく集中でき、週末の釣りは本当に楽しく、今から振り返っても大変充実した日々でした。月、水、金の夕方のランニングと筋力トレーニングも気分転換に役立ったと思います。将来を思い描き、ワクワクしながら勉強を進めることができました。
疲れを感じる前に休む重要性
試験当日はさすがに緊張しましたが、試験問題は易しいと感じました。5カ月間で専門書12冊を、問題集も合わせて完全に消化できたと感じ、かなりの自信を持って試験にのぞむことができました。精神の集中と弛緩、肉体の緊張と解放を、めりはりをつけて行ったことが、毎日10時間を超える勉強を、疲労を感じることなく集中して行うことができた一番の理由ではないかと思っています。
この方法の適用に当たって
この体験を通し、〇〇分集中し10分休むという作業方法の効果をあらためて体感できました。「〇〇分」と記述している理由は、取り組む作業や個人差などで「50分」とは言えないからです。30分の場合もあれば90分の場合もあると思います。
注意すべきは、このような作業方法は、筆記試験の試験勉強など、どちらかというと事務処理的な作業、定型的な作業に向いていると思います。創造的な仕事、創作活動や発明・発見、研究などの活動には、参考にはなると思いますがそのまま適用することはできないと思われます。創造的活動には時間を忘れて集中する必要もあると思います。 創造的活動における疲労回復方法については後日考察したいと思います。
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